どうしてもタスクに集中できない時、私はイヤホンで40hzガンマを聴いている。イヤホンはEarFun Pro 4で、Amazonで九千円ほどだった。値段の割に高い品質でだいぶいい買い物をしたと思っている。
それはそうと、ベッドの下を掃除していたある日、耳栓の片っ方を見つけた。その耳栓は私が今のイヤホンを手に入れる前に愛用していたものだった。耳栓は楽天市場で買った700くらいの安いシリコン製の代物。それだけでわたしの耳と集中力は守られてきたものだ。今となってはつけろと言われたら抵抗するレベルで埃をかぶっているが、その誇りは光っているように見える。
この耳栓、懐かしいなと思っていると、段々と私の中学、高校生時代の思い出が蘇ってきた。当時の私はあの耳栓をつけながらスマートフォンで適当な動画を無音で流していた。それを一切見ることなく黙々と勉強をしているという習慣を中学生の時から続けてきた。無音で流す動画の内容は、自分にとって面白いと思えないジャンルだ。
ただ、この習慣というのは本当に電力の無駄だったと今更ながら思っている。そもそもどうしてこんな習慣が身についたかというと、私はマルチタスクな脳を作ってみたいと中学生の頃に思ってしまったからだ。中学生といえばまだ社会の事象や価値観を知ったつもりで知らない頃だったため、マルチタスクをこなせる人を感覚的にかっこいいと思っていた。そして私はまずWiiUと3DSとテレビを一斉に操作しようとしてみた。こんなことをしているの見た母親は、「一つずつやればいいのに」と言われていたが私は気にしなかった。当時の私はこれでマルチタスク脳を形成させることができると本気で信じていたのだ。
しかしそんなことは一切起こらず、私は一つのものを見たらただそれを見続けていた。2つのことを同時にやることすら難しいはずなのに、急に3つのことを一斉にやるのは中学生の私にとって不可能に近かった。
しばらく経って、私はそんなやり方ではマルチタスク脳になれないということに気づいてしまった。そして次に、スマホの情報を見聞きしつつ勉強をすることでマルチタスク脳を育もうとした。まぁ結果はいうまでもなく、とにかくスマホに熱中してしまった。私がスマホで流していたのは、教養系の動画じゃなくて普通に好きなYouTuberの動画だったため、スマホの方に興味を持ちすぎてしまい勉強の方をお座なりにしてしまった。
それで私は思いついた。普通に勉強しようと思いついたのではない。スマホの音量をゼロにして仕舞えばスマホの情報を得る機会を大幅に失くすことができるのではないか。なんて画期的なアイデアだろう。
さらに私は長年の経験から、うるさい環境では集中できないことがわかった。周りが静かな環境の方が集中できるのは当たり前のことだからだ。なので耳栓を使って自分と外の世界の境界線にしっかりと線引きをすることで、自分を「自分の部屋」よりももっと奥まって頑丈な「もう一つの部屋」に隔離する。というか耳が何かに包まれれば集中できるのだ。だから耳栓があればスマホがなくとも私は集中してシテ勉強にのめり込むことが出来るのだ。
じゃあ最初からスマホ使わないで耳栓つけて勉強しろ!
などという今になって言える心の底からのツッコミの声も虚しく、私はあの時の集中法が最適解だったと思い込んでいた。
結果として、集中できる日もあれば、できなかった日もあった。ただそれは集中できた日に流した動画がクソほどつまらなかっただけだと今になって言える。
そして今となっては、とりあえず何かしら耳を塞がないと集中できなくなるというスマホ中毒ならぬ耳栓中毒になってしまった。とにかく耳栓かイヤホンがないと集中できない、というか耳に何か埋まってないと落ち着かないと思えるようになるまで耳栓に執着するようになってしまった。今の自分にとってはスマホ<耳栓という立場にある。
それでも耳栓の効果は絶大だったということだけは強く実感できた。やはり耳栓によって張られた結界というのは他のどんな人間でも介入することができない強力なものだったと思う。
なのでみんなも本当に集中したい時は、耳栓で耳を塞いで自分を閉じ込めてみよう。耳栓は別になんでもいいけど、個人的にはcocoiineで買える耳栓が密着性が高くて外しやすくて値段も安いから非常におすすめです。
あともう一つ言いたいのは、私は長い試行錯誤を得て今のようなやり方が一番集中できる方法であると編み出したので、皆さんも長い時間を要して自分にあった最適解を見つけてみてくださいね。長い時間といっても本当に片手間みたいなものなので1秒1秒を有効的に使えるように頑張っていきましょう。
本当のことを言うとお金があるのであればEarFunPro4の方がコスパ最強だからそっち買ったほうがいいかもしれない。耳栓は睡眠用にしたらいいだろう。