ニチレイのむねからって美味しいですよね。鶏胸肉とは思えないほどに柔らかくてジューシーでしっかりと味が濃い。味が濃いかと思いきやカロリーや糖質は他の唐揚げよりも低く明らかにダイエット向きな食品である。普段から鶏もも以外を鶏肉と認めない鶏もも過激派も満足のいく代物だろう。
私がなぜ今まで胸肉を避けてきたかというと、パサパサな食感が苦手だったからである。せっかく飯を食べるというのにパサパサな食感のものを食べるとかなりテンションが下がってしまう。パサパサなものは呑み込むためにとんでもない数の咀嚼を要する。その時間というのは本当に虚しい時間だと思う。なんでこんなにパサパサなものを食べなければならないのだろうか、それは自分がパサパサになるように調理してしまったからだという自問自答に向き合っている間も、口の中には頑なに呑み込まれようとしてくれない鶏胸肉が居座っている。
鶏肉はカンピロバクターみたいなもののせいで確実に火を通して調理しなければならない。それを怠ると下痢や嘔吐に見舞われて一週間ほどの長い日数を棒に振ってしまう。そういったリスクを恐れてしまい私はいやでも慎重に鶏肉に火を通す。もっと鶏肉にそう言ったウイルスがなければそのままがぶりついてあげられるのになという思いも虚しく、鶏肉の繊維は硬くなっていく。それはまるで鶏肉が繊維という殻に閉じこもっているかのようだ。
そんなことがあって私はずっと鳥はもも肉派だった。もも肉なら多少強く焼きすぎても脂肪が残ってジューシーでいてくれる。そんな打たれ強い鳥もも肉に私は夢中に食らっていた。
しかし最近はダイエット志向に変わって、胸肉も調理次第で柔らかくジューシーにつくれるということを知ってから、だんだんとももからむねにシフトチェンジしていってる。私はもも肉の味ではなく、食感に魅せられていただけなので、胸肉に鶏もも同然の柔らかジューシーのポテンシャルを秘めているから、だったら私はカロリーの低い胸肉の方を好んで食べる。
ただもも肉にはもも肉にしか出せない魅力がある。照り焼きなら胸よりも断然もも派だ。もも肉はダイエット中にアブラギッシュなものを食べたいなんて時に大活躍してくれるスーパーフードなのだ。胸肉ほどではないがタンパク質も豊富に含まれているため、胸肉に飽きた時の避難場所としては非常に最適。一度もも肉を捨てようとした自分をいつでも迎え出てくれるその寛容さには感動すら覚える。
そんなこんなでもしもこの先の人生で一種類しか肉を食べられなくなるとしたら、私はまっすぐ鶏肉と答える。そのくらい私の人生に鶏肉というものが根付いているのだ。みんなももっと鶏肉を食べよう。ついでに卵も食べよう。
p.s. トップ画像の鶏は比内地鶏だけど、鶏の種類は見た目で判別するの難しい。