だいぶ昔の話になるが、駅の階段で二匹のカラスが降りていたのを見た。羽ばたくことのなく子供のようにぴょんぴょん飛びながら楽しそうに降りていた。一匹のカラスが降りる姿をもう一匹のカラスが見つめている見つめているのを見て兄弟みたいな温かみを感じた。
兄が階段を降りると弟が「すげえやにいちゃん、人間みたいだ。」と言い、弟が降りると「どうだにいちゃん、俺は今人間みたいかい?」と問うてくるのだろう。兄は基本的に多くを語らないが、弟の健気なところを見て聞いて愛しさを感じているのだろう。
そんなカラス達が都会の一角でこそこそ人間みたいになるために頑張っている姿をみるのも癒しになる。