出会いというものは本当にふとした瞬間に起こるものだと思えるエピソードがある。今日西友に行った際、お茶菓子の陳列棚に「もっちりたまご」なるものがあった。味はプレーンと塩バターの2種類。私はマドレーヌみたいなものだろうと思いつつ塩バター味を購入した。12個入りでなかなかに大きいサイズだったから一日4個くらいかでもう十分かと思っていたが、今日中に12個全て食べ切ってしまった。
もっちりたまごは触ってみたら確かにもちもちだが、食感はもちもち寄りのしっとりとした食感になっている。噛めば噛むほど口の中にバターの香りが充満していき、飲み込んだら全て夢だったかのような喪失感に襲われる。そういった感覚を何度も確かめたくなってしまい、数分後には12個目のもっちりたまごに手を伸ばしてしまうのだ。
いろいろと褒めたいところはあるが、何よりも私は塩バターというものが非常に秀逸だと思う。甘いお茶菓子の風味を引き立たせるために脇役に徹するバターを主軸に置いて、さらには甘味と正反対の塩とタッグを組んでしまったものだから、甘いとしょっぱいが交差しあった血糖値爆あがりスイーツがこの世に生まれ落とされてしまった。パッケージの裏にはレンジで温めたり冷凍したりといったアレンジ法が記載されているが、そんなことをする必要もないほどにもっちりたまごには12個あっても飽きさせない製作者の工夫が感じられた。
このような美味しいお菓子の存在を、私は今まで見たことも聞いたこともなかった。本当に今日初めてもっちりたまごというものを目で見て購入したのだ。基本的に私は宣伝されているものを見て欲しいか否かを決めるが、もっちりたまごに関しては初対面であるにも関わらずすぐさま購入に至った。私は一体もっちりたまごの何に惹かれたというのだろうか。名前の響きの良さか、名古屋コーチンを使用していることか、それとも右下の鶏のキャラクターの愛らしさか、どれを選んだのかははっきりしないが、どれをとっても私がもっちりたまごを購入するきっかけになっていたかもしれない。
今後もこういった感じに初見の食品に可能性を見出して美味しいものを見つけ出すことができるのだろうか。今回のもっちりたまごがあまりにも美味しかったせいで、当分はそれ以上の食品に巡り会えないだろう。そう考えるとぼる塾の田辺さんって自らの力でスイーツの可能性を発掘し続けている天才である。私も最終的にはこんな感じの、「初見で本当に美味しいものだと感知することができるレーダー」というものを手に入れて他の人から「こんなとこも知ってるなんてすごいっすね」なんて言われて鼻を伸ばしてみたいものだ。もっとも、田辺さんは絶対にそんな邪な思いでスイーツを探求しているわけではないと思うけど。
p.s. 食べてにっこり名古屋コーチンたまごもっちり