グレゴリー・ペレルマンというソビエトの数学者がいる。彼は未解決問題の中でも、解いた者に100万ドルの懸賞金が与えられるミレニアム懸賞問題の一つであるポアンカレ予想を解決した。ポアンカレ予想とは本当に簡単にいうと、「ドーナツとりんごの違いは何?」というようなものだ。この二つの大きな違いは、「穴の有無」だ。穴があればドーナツで穴がなければこりんごということだ。これだと暴論に聞こえるが、これは「トポロジー」という歴とした数学だ。モノの違いというものは穴があるかないかで大まかに分類することができるということだ。この問題が証明されれば、宇宙がどういった形をしているのかより正確な考察をすることができる。もっと知りたい人は私よりもはるかに有益な情報で知ってください。
とにかくペレルマンはその未解決問題を2006年に解決し、フィールズ賞と共に懸賞金100万ドルを与えられることになったのだが、彼はなんとそれらを辞退した。彼は「私はお金や名声に興味がない。私が持っているものは、私が必要とする以上にある。」と言い残し、現在はスウェーデンでキノコ採取をしているらしい。
幼かった私は最初そんな話を知った時、もったいなーとしか考えられなかったが、大人になって脳も成熟してきた今、ペレルマンの気持ちがよくわかるかもしれない。
彼は「なんかそんなこと言ってる自分かっこいい」みたいなチャチな気持ちでそんな行動をしたとは思えない。本当に数学を解くことを楽しんでいたのだと思う。なんなら趣味程度に嗜んでいたくらいかもしれない。そんな趣味程度でやっていたことが、ある日突然学会みたいな場所から痛烈に称賛されたり大衆から評価されたら、自分でもイレギュラーな恐怖で足がすくむかもしれない。
子供の時は漠然と欲しがっていた「名誉」も、手に入れた分の代償は計り知れないものだろう。テレビで有名になった人も、その人を好まない人がいたら自由に叩くことができてしまう時代だからこそ、名誉を手に入れたいとしてもそう簡単に手を伸ばす気にもなれない人たちが多い。この世界では必ず自分の足を引っ張る人がいるため、人はその足元を異常に気にしてしまい、下手な行動をできずにただ粛々と一生を終えていく。本当はそう言った暮らしの方が人間にとって一番都合のいいことなのかもしれない。ペレルマンもそれを望んでいたはずだろう。
そんなことを言っている私も、みんなが自由にみられるブログを書いて自分のことについて曝け出している。別に私はこのブログ活動で大きく躍進して日の目を浴びて億万長者になるみたいな野望はない。とりあえず自分の趣味が欲しかっただけだ。二十代になって何かしら趣味を見つけたい、それで小銭くらいの金がもらえる趣味がいい、そんな二つの願いを叶えられるのがブログだったのだ。今のところは誰も見てないから自由に書くことができて気が楽だが、もしも自分のブログが有名人に取り上げられて急に大衆の日の目を浴びることになったら、私はどうすればいいかわからない。だから私はただひたすらブログを何年も続けて書いて、一定数のフォロワーを手に入れて、安定した収益で運営できるようになればそれでいいかもしれない。今のところ自分に派手な言動は似合わないため、今はただ自分が継続できるように努力をしていくのみである。
題名がペレルマンだったので、ペレルマンのことについて知れると思ったら、知らない人の謎の熱語りが主になってしまったため申し訳ない。あとペレルマンの心情は自分は知りようがないので悪しからず。