この前東海オンエアでモッツァレラチーズゲームを主軸にした動画があったのでそれを観た。観終わった後は普通に面白かったなという感想ぐらいだった。観た後は時になんとも思わなかったけれど、よくよく考えてみたら、モッツァレラチーズゲームってたいしてゲーム性も戦略性も爽快感もそれといってないのによく今まで生き延びてこれたなと思う。
モッツァレラチーズゲームは2013年に、テラスハウスという番組から広まっていった、最初は低いテンションでモッツァレラチーズと言い、そこから段々とテンションを上げていき、テンションが前の人よりも下ぶれてしまったら負けというゲームである。なぜモッツァレラチーズなのかはいまだに解明されていない(おそらくその場のノリだろう)。これだけのルールで聞けば、もっと面白いゲームがあるはずだろう。悪くいってしまえば、その場で流行ったようなもので時が経てば忘れられるものだと思うだろう。しかし意外にも、このゲームは大衆に忘れ去られることなく、かれこれ10年以上にわたり、日本のどこかの居酒屋で声高らかに叫ばれ続けている。
その場で流行ったものというのは一斉を風靡したかと思えば、また名前を聞かなくなる。この人生のうちにどれほどの食べ物や有名人、ファッションやゲームが流行って廃っていく姿を見たのだろうか。あんなに囃し立てていたメディアも観衆の関心を得られにくくなった途端にすぐまた新しい流行を探し出そうとする。そんな中でもモッツァレラチーズゲームだけは全盛期の頃までは行かないものの今も我々の生活(特にバラエティや飲み会)に根付いている気がする。
個人的にバラエティから派生したゲームは今でも語り継がれていると思う。その最たる例というのは、志村けん氏の「最初はグー、じゃんけんぽん!」だろう。実は今私たちが普通にいっているじゃんけんの文言は、志村けん氏によって編み出されたものなのだ。つまりこの時点で、バラエティゲームは生き残りやすいという仮説を十分に立証できるほどの強力な証拠となる。それだけでない。V6のゲームやマジカルバナナもテレビを通じて流行ったものである。そういったゲームを見たことがある人はかなり多いだろう。何かゲームをやろうと言われた時、とりあえず以上のようなゲームをやれば場は盛り上がる。
そういった背景を見てみると、現在も生き残っているゲームの特徴として、「わかりやすい」、「酒が入っててもできる」、「やれば盛り上がる」といった特徴が、モッツァレラチーズゲームなどに全て合致しているように思える。飲み会で「カタンやろう!」なんていう人は聞いたことがない。盛り上がると言えば盛り上がるかもしれないが、酒が入った状態でカタンを理解するのは難しいし、そもそもルールが複雑だ。こうした背景を踏まえると、モッツァレラチーズゲームのような、シンプルなルールで盛り上がれるようなゲームは今後の飲み会の場でも重宝されるに違いない。
それにこれらのゲームを提案することで周囲から盛り上げ上手という良い印象をもらえるかもしれない。場の盛り上がりに欠けていたら率先して「モッツァレラチーズゲームやろう!」と声高らかに提案すれば、周りからは「飲み会の空気を変えたムードメーカー」と思われるかもしれない。
ただし、中には「モッツァレラチーズゲームなんてオワコン」などという人がいるだろう。そういう時は胸を張って、伝統を時代遅れという発想自体がオワコンという気持ちを相手にぶつけて仕舞えばいい。それで喧嘩になって揉み合いになっても相手は酒が入ってる状態だったから因縁もなく忘れる、もしくは昨日はごめんと謝りに来てくれると思っておけばいい。酒が入った状態で意識を正常に保つのは困難だからいちいち因縁を抱え込まなくてもいい。
なのでこれからは飲み会の空気を変えたいと思ったら、「モッツァレラチーズゲームやろう!」と提案してみるのが良いだろう。今日飲み会があるという人でもすぐに実践できる。声は大きければ大きいほど面白いという風潮があるので、恥ずかしがらずに大声を出してみんなを笑わせよう!